ベアトリーチェ トーレ・アルコ


 

 

 スペック


機体名 :ベアトリーチェ トーレ・アルコ(三つの弓)
全長 :13.2m(装備含まず)
全高 :5.0m
重量 :38.5t
最高速度 :160km/h

 

武装

 

 

 

 

:30mmカートリッジ式高圧縮集束ビーム砲〈デーア・フレッチェ(女神の矢)〉

 対ゾイド30mm2連装ビームカービン〈フェーデ・フレッチェ(信仰の矢)〉

 地対地ミサイルポッド〈ネーメズィ・フレッチェ(天罰の矢)〉

 スラッシュレーザークロー×2

 

固定装備

 

 

 

 

:エアインテーク

 3Dレーダーアンテナ

 複合センサーユニット

 光学兵器用補助ジェネレーター

 

※スペックは変更になる可能性があります

 

 

 

 

 機体概要


 

本形態は〈ベアトリーチェ〉の火力強化装備である。

貫通特化・大威力ビーム砲による狙撃、連射・集束切替式のビームカービンによる中距離射撃、ミサイルポッドによる爆撃と、性質の異なる三つの火器を装備する為「トーレ・アルコ(三つの弓)」と名付けられた。

本装備群は〈エイミス教団〉から提供された為、独特の名称がつけられている。

 

外付けの動力源から供給を受ける高出力の光学兵器を複数搭載している為、本装備の継戦可能時間は極めて短い。

その代わり追加装備の動力を外部に頼った為、〈ベアトリーチェ〉自体の稼働時間にはあまり影響がない。

補助ジェネレーター直結のコンデンサのエネルギーを使い切った場合、再充電にある程度時間がかかる。

その間、小型高速ゾイドであるヘルキャットにデッドウェイトを背負わせるのは適切な運用ではない為、「デーア・フレッチェ」の装弾数の制限と合せて、撃ち尽くした後は火器を強制排除し、格闘戦に移行する設計になっている。

 

射撃技能に特に秀でている訳でも、複数の火器の同時運用に習熟している訳でもないパイロットの為、 本装備は、前面に火器を集中して装備し、足を止めて前方にのみ射砲撃を加えることを想定している。

なお、情報処理・火器管制において高い能力を発揮するベアトリーチェの為に、全火器に照準用センサーユニットが増設された上、コア側からの操作を優先して受け付けるようプログラムが調整されている。

反動の大きい「デーア・フレッチェ」を別のビーム砲に換装し、制御をベアトリーチェに任せれば、走行中の複数火器の同時使用も可能である。

 

 

 射撃装備


 

■デーア・フレッチェ

 

30oカートリッジ式高圧縮集束ビーム砲「デーア・フレッチェ」は、元々は中・大型ゾイド用に開発されたビーム砲である。
口径を絞りエネルギーを一点に集中し貫通力に特化させる事で、威力の上昇と省エネ化を両立させた。
命中精度向上のため、側面と砲身下部の二か所に狙撃用センサーを備えている。

高エネルギーを瞬時に供給する必要がある為、動力源をカートリッジ型の大容量コンデンサにするよう設計されている。
弾数制限と引き換えに、一撃の威力は大型高速ゾイドを当たり所によっては一撃で撃破する程のものになった。
相応に反動も増大しており、走行中の使用は機体を大破させかねない。
〈ベアトリーチェ〉の機体バランスを崩さず、かつ「フェーデ・フレッチェ」との重量バランスをとる為、装填出来るカートリッジ数は五つが限界である。

 

 

 

■フェーデ・フレッチェ

 

対ゾイド30o2連装ビームカービン「フェーデ・フレッチェ」は、セイバータイガーの主砲である対ゾイド30o2連装ビーム砲を元に、性能向上・多機能化した装備である。
上下の砲身を交互に使い過熱を防ぎながら、エネルギー消費を抑えた光弾を発射するが、〈モード・パストーレ(牧師)〉と命名された集束モード時には、上下同時にビームを照射する事で収斂させ、威力を増した光線を放つ。
通常モード10発分のエネルギー消費と引き換えに、1回の使用で最大5秒間ビームの照射を行う。

本武装のエネルギー源には補助ジェネレーターと直結式のコンデンサを使用し、通常モードで70発、集束モードで7発撃つことが出来る。
上記は基本設定であり、ベアトリーチェの操作により両モードとも出力調整が可能である。

 

 

 

■ネーメズィ・フレッチェ

 

地対地ミサイルポッド「ネーメズィ・フレッチェ」は、対多数戦用に多弾頭ミサイルを装填した超大型のミサイルポッドである。
大型弾頭である多弾頭ミサイルを装填する為に小型ゾイドに搭載するには非常識なサイズになっている。
威力を優先した結果、装弾数が限られたため、打ち尽くした段階で強制排除する事でデッドウェイトとなる事を防ぐ様になっている。
複数種類の弾頭に対応した設計の為、無数のベアリング弾をばらまくクレイモア弾頭、気化させた燃料による爆風で加害する燃料気化爆弾など、想定される戦況に合わせて換装する事が出来る。

 

 

 

 

 近接装備


 

 

■スラッシュレーザークロー

 

新たに実装された格闘戦用のスラッシュレーザークローは、東方大陸の企業ムラサメ・ファクトリーが開発した、ヘルキャット特有の消音システムと、レーザークローによる格闘性能を両立した装備である。

開発の際問題になったのは、小型ゾイドのコア出力でレーザークローが運用できるかどうか、小型ゆえに重量・パワーに乏しいヘルキャットで十分な破壊力が引き出せるかどうか、ヘルキャットのステルス性能をどこまで維持できるか、の三点であった。

これらは元々後継機として開発されたライトニングサイクスのデータを参考にする事で解決された。
サイクス同様爪を収納出来る構造にする事でステルス性を確保し、切断能力を重視した刀剣状の爪の限定された部位のみにレーザーコートする事でエネルギー効率を高めた。
これは、従来の打撃系のストライククローでは重量・機体のパワーが足りず、ライガーゼロ系のストライクレーザークローではコア出力が不足する為である。

完成した本装備は爪の収納時において、ノーマルのヘルキャット脚部と比較して7割程度の消音効果を維持し、展開時には、敵機に接触する寸前にレーザーの出力が待機状態から攻撃状態になり、爪の僅かな範囲のみに集中してレーザーコートされる。
その結果、当たり所によっては中型ゾイドを一撃で撃破する事も可能なほどの切断能力と、ヘルキャットのコア出力でも運用可能なレベルまでに省エネルギー化を両立させる事が出来た。
あまり多用出来るほど燃費が良い訳ではないが、射撃装備の強制排除後に使う格闘装備として、必要十分な性能であると思われる。

こうして完成した本装備は〈ベアトリーチェ〉に採用され、その実働データをもって調整を行った上で、ムラサメ・ファクトリーが製品化を予定しているという。
元々本装備はベアトリーチェ専用というわけではなく、ヘルキャット全般の近代化改修装備として開発が進められていた物である。

余談だが、その際の開発コードは“グラジオラス”(グラディウスという剣を名前の由来とし、「勝利」を花言葉にもつ)と言い、開発者の「後継機種に恵まれず、 苦しい戦いをしているヘルキャットに勝利を」 という願いが込められている。

 

 


 

 

 作品解説 by 流遠亜沙


改めて説明をすると、旧サイトにて連載していた『漆黒の狂襲姫』という小説がありまして、その過去編(未完)で主人公が搭乗するのが〈ベアトリーチェ〉です。
劇中に登場するのは二振りの剣を装備した〈ドゥエ・スパーダ〉のみで、この〈トーレ・アルコ〉はenigma9641さん考案のオリジナルとなります。
名前の通り3つの火器を装備している訳ですが、当初はメインとなるデーア・フレッチェのみ自作で、残る2つは既存のものを流用する予定だったのが、最終的にはすべてが自作という……本当におつかれさまでした。

enigma9641さん、〈ドゥエ・スパーダ〉に続き、素敵な装備をありがとうございます!
オリジナルにも関わらず、僕の意見を取り入れ、「銃口が空いてると良いなー」などというワガママにも対応していただき、ただただ感謝しかありません。
作品自体もそうですが、ゾイドとしてもキャラとしてもこんなに愛していただけるなら、ベアトを嫁に出してもいいかもしれません(笑)。

 

 

 製作者コメント by enigma9641


皆様お久しぶりです、enigma9641です。
この度専用コーナーに再び作品を掲載して頂けることになりました。

〈ベアトリーチェ トーレ・アルコ〉は、〈ドゥエ・スパーダ〉のやり取りの中で火力強化装備の設定はあったのか聞いてみたところ、

「強化装備案は特に考えていません。『宵闇』のアサトは『なんでも屋』ではなく一新兵ですし、単独行動をしないので。
小説だからどんな装備でも出せるんですが、絵が浮かばない装備を出しても読者に伝わらないというのも理由です。
逆に言えば、実物があれば小説に登場させる事は可能です。
なので、enigma9641さんが“こんなの見たい”と思ってくだされば、自由に作っていただいて構いませんし、可能であれば劇中に登場させます。」

と返って来たのが切っ掛けで、自由に作ってみた結果出来上がった作品です。
発案から完成までかれこれ4年がかりの大作になってしまっています。

この4年の間、別機体に浮気したり生活環境が変わったり、自分のメイン作品に注力したり―――
中断と再開を繰り返しながらメイン火器の〈デーア・フレッチェ〉の制作を進めていました。
残りの武装はセイバータイガーの武装を流用する予定でしたが、それが変わったのは「ゾイやみ」にてベアトの出演が決定した時になります。
#9『違う空の下で(前編)』ですね。
そこで牽制射撃を行うベアトの戦闘描写から〈フェーデ・フレッチェ〉の設定やカービンというデザインが生まれました。
で、オリジナルのデザインが出てきた以上は自作するのが当然だろうと、一念発起してフルスクラッチに挑みました。
〈ネーメズィ・フレッチェ〉がああも大型化したのも同じ理由で、ベアトが多弾頭ミサイルなんてぶっ放したからなんですね、懐かしい話です。

こうして流遠亜沙さんとのやり取りの中で設定が広がり、形作られていくのは非常に楽しい時間でした。
自分から発案した装備が「ゾイやみ」に採用され、実際にベアトが使いこなしているシーンは感動ものです。
初登場回から随分月日が流れてしまいましたが、こうしてゾイドキット改造作品としての〈トーレ・アルコ〉が完成し、局地戦用強襲型機動兵器・改のコンテンツの一つとなる日を迎えられて感無量です。

それでは最後に―――流遠亜沙さん、〈トーレ・アルコ〉の完全監修お疲れ様でした! 今後も機会があればよろしくお願いします!

ベアトー! 小悪魔可愛い君の健気な活躍を楽しみにしてるよー! 頑張れェー!

 

 

 オマケ


 

■旧カラー版

 

小説登場時は黒でしたが、立体化の際にブラウン系となりました。
今では最初からこの色だった気がしてなりません。

 

 

 

■揃い踏み

 

新旧カラーと、3年前の『ZAOD』にて展示したポップ。
未だに大事に保管してくださっているそうです。
感謝。

 

 

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